立川反戦ビラ配布事件から3年
| Friday, March 23, 2007 | Printer friendly version |
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3月初旬のある快晴の日曜日、外出途中の駅前でふと署名を集めるグループを見掛けた。掲げられた大きな横断幕を見ると、数年前の立川反戦ビラ配布事件の上告裁判で、最高裁に無罪を求める署名集めだとわかった。2004年2月27日、反戦運動グループのメンバー3人が、立川自衛隊宿舎内で自衛隊のイラク派兵に反対するビラを投函し住居侵入罪で逮捕されて、75日間留置場に勾留されてから3年が経つ。

一審では、3人の行った行為は住居侵入に当たらないという訴えは斥けたものの、ビラの投函は「憲法21条1項の保障する政治的表現活動の一態様」であるとして、無罪判決。この判決に対し、検察側は高裁へ控訴し、一昨年の二審では、3人の行ったビラ投函は住居侵入罪に該当し、入居者に不安また不快感を与えたとして、一審の判決を覆す有罪判決を下している。3人は即日最高裁に上告し、全面的に闘う姿勢を示している。
一連の起訴に関しては、刑法上での住居侵入の解釈、公訴権の濫用、警視庁公安二課による事件の取調べ、そして何よりも表現と言論の自由について疑義される点も多く、各新聞や法学者、市民団体などから強い批判が多かった。アムネスティ・インターナショナルは、3人を日本で初めての「良心の囚人」と認定した。また、3人は、同様の投函によるピザ屋や不動産屋などの商業チラシの配布での逮捕例はなく、3人の逮捕は戦争や政府の政策への反対運動に対する選択的な取締りだと訴えている。
政界の要人などによる発言をめぐり、この「表現の自由」「言論の自由」という言葉が頻発されているのを見聞きする。しかし、決まって発言者の進退の問題にすり替えられてしまったり、放火や悪辣な恐喝など、センセーショナルなものが先行するばかり。または、弁明・釈明の際の材料として使われる場面が多いため、都合の良い言い訳ととられる節がある。肝心なところで言論や表現の自由についての本質的議論が起こることはまずない。この立川の事件も、当時は大手新聞が社説で取り上げるなどの報道あったが、最近の動向を追うメディアは無いに等しい。自身、事件当時少なからず注目していたものの、最高裁までいっていたことまでは追っていなかった。
しかし、人々の間には常に関心の根はあるようだ。手渡されたビラに眼を走らせ、ふとそばにいたメンバーに声をかけてみた。その日の感触について尋ねると、「決して多くはないけど、反応は良いですよ。」と、署名を集めていた青年の一人は言った。確かに足を止める人や渡されたビラを立ち止まって読んでいる人も中にはいた。署名用の机には、「署名数累計(12月15日時点)13,495筆」と書かれた札が立てられていた。3年間ではその数はのべ3万以上になるという。草の根の声を絶やさないことだとひとりしみじみ感じながら、改札をくぐった。
